皮膚科での首イボ治療方法とは?費用や料金、健康保険は適用される?
首のイボは自分で取れそうでとれない厄介もの。
毎回鏡で見るたびに、イボの数が増えていくような気がしませんか。
この首のイボ、しっかり取り除きたい時は皮膚科で治療を受けることができます。
保険診療が可能な場合もあるので、どのような治療方法があるのか、早速それぞれの特徴をご紹介しましょう。
首イボの種類について
首イボを皮膚科で治療する際には、イボの種類によって適した治療法も異なります。
まずはウイルスなどに感染してできるもの。
このウイルス性のイボは放っておくと、他の部分にも広がったり、他の人に感染させる恐れもあるのです。
もうひとつが加齢が原因の老人性イボと呼ばれるもので、首にできるイボはこうした非感染型が主です。
非感染型の首イボは大きく分けて以下の3種類となります。
スキンタッグとアクロコルドンは軟性線維腫とも呼称します。
上記の首イボは良性タイプなので体に影響を与えるものではありません。
ただし突然大きくなるものや、出血を伴う首イボは悪性の可能性もあるのでご注意ください。
レーザー?ハサミ?薬?首イボの皮膚科での治療はどんな方法がある?
皮膚科に行くと、まずイボの状態や大きさ、ウイルス性かどうかなどの診断を受けます。
保険を使用できるかなどを医師と相談し、治療法を決めていくことになります。
小さめのイボであればすぐに処置をしてくれる場合もありますが、数が多かったり大きなイボの場合は、後日処置を行うのが一般的です。
ウイルス性のイボの治療
- 液体窒素を使用した切除法(保険診療・可)
- 内服薬(ヨクイニン)を処方(保険診療・可)
- 外用薬(クリーム・軟膏)を処方(保険診療・可)
ウイルス性のイボの治療は時間がかかるうえ再発の可能性も高く、非常に治りにくいというのが今までの通説でした。
しかし最近の研究では尿素クリームの継続使用によって、ウイルス性のイボが92%根治したという発表があり、ウイルス性のイボに悩む人への朗報となっています。
この研究に使用されたのは尿素10%のウレパールということで、長年ウイルス性イボに苦しんでいる人は試す価値がありそうですね。
首イボ(加齢性イボ)の治療
小さなイボ(アクロコルドン・スキンタッグ)に対する治療
- 液体窒素を使用した切除法(保険診療・可)
- ハサミなどで切除する(保険診療・可)
- レーザーを使用(保険診療・一部可)
大型のイボ(懸垂性線維腫)の治療
- 手術(保険診療・可)
- レーザーを使用(保険診療・一部可)
外用薬(クリームや軟膏)や、イボに効果のある内服薬としてヨクイニンを併用して処方される場合もあり、こちらは主に保険適用可能です。
それぞれ初診料や再診料、麻酔費用などは別にかかり、健康保険を適用できるかは、医院、治療法の選択により異なります。
レーザーは医院によって、全額負担のところもあれば、保険内で処置が可能なところもあるので、初診の際や事前に確認してみて下さい。
保険診療と自由診療の違いは何?
健康保険が使える場合と使えない場合はどう違うのか、よく知らない方も多いと思うので、簡単に解説します。
治療目的の健康保険
日本では国民全員が健康保険や社会保険に加入することが義務付けられており、保険証を医療機関に提示することで、全国一律に同じ料金で同じ診療が受けられるのです。
この保険証が使用できるのは、心身に異常があり治療の必要がある場合のみ。
こうした考えから、皮膚科はイボを治療するため保険適用内の処置が主に行われ、治療法が制限される代わりに、費用が安価で済みます。
美容目的なら保険適用できず自由診療になる
健康保険が適用されるのは治療目的の診療でなければなりません。
そのため美容目的の処置を行う美容外科では基本的に自由診療であり、全額自己負担。
さらに、自由診療は医院が処置の価格を自由に決められるため、同じ処置であっても費用が医院ごとに違います。
保険診療の方は再診料なども3割計算ですが、自由診療の方は再診料も100%負担です。
ある意味で保険診療に縛られないため、治療法の選択肢が多いことはメリットといえますね。
詳しい治療法や痛み、治るまでの時間を見てみよう
液体窒素を使いイボを除去する方法
首イボを皮膚科で治療する際に、一般的に行われるのが液体窒素を使う治療法で、マイナス196℃の液体窒素を利用し、イボに塗布、または摘み取ります。
- 液体窒素を浸した綿棒でイボに塗布する綿球法
- 液体窒素を肌にスプレーするジェットスプレー法
- 液体窒素に浸したピンセットでイボを摘み取るcryoforceps法
1・2番は液体窒素でイボをかさぶたにして除去する方法で、イボがとれるまで1〜2週間間隔で何度も通院する必要があり、回数には個人差が大きいのです。
3番は液体窒素に浸したピンセットでイボの根本を摘むというもので、液体窒素が浸透する量が少ないため痛みも少なくて済む、小さなイボに向いている方法です。
治療できるイボ
- ウイルス性のイボ
- 加齢性のイボ(スキンタッグやアクロコルドン)
液体窒素の痛みなどのデメリットは?
この液体窒素を使用した方法は非常に痛みを伴い、しかも何度も通院する必要もあることから治療途中で脱落してしまう患者さんもいるのだとか。
また治療部位が色素沈着を起こしやすく目立つ場所のイボには、シミになる可能性からもあまりオススメできません。
液体窒素の治療費は?
料金は保険が3割負担の方で、1回に千円程度です。
この治療方法は保険が適用され、1回の費用は低価格な点がメリットですが、通院回数がはっきり何度と断定できず、完治するまでに多額の費用がかかる可能性もあるので覚えておきましょう。
ハサミで切除
イボによっては、診察当日に医療用のハサミで切除してくれる場合があり、実は首イボの外科的処置の中ではもっとも跡が残りにくいのではないかとも言われているほど、キレイに治ります。
スキンタッグの治療に向いていて、それ以外の平べったいイボや、大きなイボ、ウイルス性のイボはハサミでは切除できません。
治療できるイボ
- 老人性イボ(スキンタッグのみ)
ハサミの痛みなどのデメリットは?
痛みについては硬化部分を切り落とすだけなので、ほぼ感じないようです。
麻酔を使用してくれる医院もあるので、痛みが心配な方はあらかじめ相談してみると良いですね。
跡も残らず良いことばかりに思えるかもしれませんが、言ってみれば硬化部分をただ切除しただけなので、イボが出来る原因そのものを解消したわけではありません。
そのため再発の可能性が高いこともデメリットです。
ハサミで処置をしてもらった場合は、首イボクリームを使うなどしてケアをすると予防になり、再発しにくいですよ。
「注意!自宅で首イボをハサミで切るのは危険!皮膚科で切るケースって?」では、自分でハサミで切除する危険性をまとめています。
自分でハサミで切るのは、出血が止まらない、雑菌による化膿、ウイルス性で増殖などデメリットばかりなので、必ず医師に診断・処置をしてもらいましょう。
ハサミの治療費は?
保険適用できる場合が多いので、金額も非常に低料金です。
数百円から数千円といったところで、通院回数も少なくて済みます。
レーザー照射で皮膚を再生する方法
レーザー照射で首イボを治療する方法は、アンチエイジングのシミとり治療と同様に肌を削り新しい角質層を生成するもの。
さらに治療の傷跡が残りにくいため女性には人気がある方法です。
レーザーの痛みなどのデメリットは?
治療前に麻酔を使用するため、レーザー治療では痛みは感じません。
また、治療後に跡が残りにくいこと、首イボは治療をしても再発する可能性がありますが、レーザー治療の場合は皮膚組織の再活性化を促すことから再発しにくいことも魅力ですね。
費用が高めで保険適用されない場合もありますが、美容目的で行う女性には、多少の費用がかかっても魅力的な治療方法の一つといえます。
治療できるイボ
- 老人性のイボ(スキンタッグ・アクロコルドン・懸垂性線維腫)
レーザーの費用は?
保険適用で3割負担だと主に5,000円〜、範囲の大きさによって金額が変わります。
自由診療の場合は医院にもよりますが、調べたところ1箇所324円、3,000円〜7,000円という病院もあれば、全範囲で32,400円という医院もありました。
費用に関しては、はじめに治療範囲や個数を元に、いくら掛かるのかをしっかり確認してくださいね。
手術で除去
大きなイボに適用される処置が、手術で、麻酔をした上で患部を切除します。
手術時間は大体15分程度。
抜糸などで数回通院する必要があります。
治療できるイボ
- 老人性イボ(懸垂性線維腫など大きなもの)
手術の痛みなどのデメリットは?
麻酔を使用するので、痛みは感じにくいでしょう。
ですが、治療跡が傷として残る可能性があり、目立つ部分にはあまりオススメできません。
手術費用は?
手術は保険適用の場合、場所や範囲にもよりますが、3割負担で5,000円前後です。
切除したイボは、病理診断で悪性か良性かを、詳しく調べてもらえます。
内服薬を使う治療方法
皮膚科では外科的な治療だけでなく、内服薬を使った首イボの治療方法があります。
イボに効果があるのはハトムギから抽出したヨクイニンという成分を服用し、免疫力を高めイボを改善してきます。
この内服薬はイボだけでなく、ふきでものなどのトラブルにも効果があります。
治療できるイボ
- イボ全般(ウイルス性・老人性含む)
内服薬の費用は?
ヨクイニン錠は保険が効くので、1ヶ月分で1,000〜2,000円ほどです。
しかし薬を飲んで治す方法は、手術などとは異なり効果を実感するまでに時間がかかるデメリットがあります。
すぐに首イボを綺麗にしたい方は、内服薬よりも、レーザー治療や液体窒素を使った治療方法の方が早く効果がでますよ。
ただし、処置をしてイボがなくなっても、油断は禁物です。
再発防止のためにも、クリームなどで首イボ予防ケアを取り入れましょう!
皮膚科?美容外科?どの病院に行けばいいの?

ここまで皮膚科で受けられるイボ治療法についてお伝えしてきましたが、実は、選択する治療法によっては皮膚科ではなく違う診療科のほうが適している場合があります。
例えば、液体窒素だと跡が残ったり痛みが心配だから、レーザー治療を受けたい!という場合。
液体窒素であれば全国どの皮膚科でも処置が受けられるのですが、レーザー機器を導入している皮膚科は限られるのが現状です。
レーザー治療が受けたいという場合は、機器の導入率が高く、処置にも慣れている美容外科や美容皮膚科のほうがオススメです。
かんたんに、それぞれの診療科名の違いをご説明します。
皮膚科 | 皮膚疾患の内的、外科的治療を行う。良性・悪性を診断。良性のイボの場合は、積極的に治療をしない可能性もある。保険診療が主。 | 美容皮膚科 | 皮膚科に加えて、保険外の美容外科的な処置も行う。美容面の改善が主目的。保険診療・自由診療どちらになるかは、医院や医師による。 |
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美容外科 | 機能上問題はないが、コンプレックスなどを外科的処置により解決。治療ではないため、自由診療が主。保険適用可能な場合もあるが、医院による |
美容外科は保険診療外の処置も可能なため治療の選択肢が比較的多く、個人の皮膚科になると治療の選択肢が少ない場合が多いです。
特に皮膚科は医院によっては機材がないなど、希望した処置が受けられない可能性も多くあります。
首イボ治療は何科を受診すればいい?皮膚科?美容外科?病院の選び方
首イボ治療の病院の選び方は?
まずはイボの種類を判断してもらいに皮膚科か美容皮膚科に行きましょう。
ウイルス性や悪性だった場合に、そのまま治療を受けることが出来ます。
自分の首イボが良性のものだと分かったら、費用を安く抑えたい、跡などを残したくない、再発させたくないなど、何を重視するかによって医院と治療法を選んで下さい。
病院を選ぶ際に、最も大切なのは処置法や費用などについて担当医師と話し合い、納得できるかです。
自由診療も視野に入れると、医院によって価格も大きく異なります。
また、医師の得手・不得手もありますので、いくつかの医院に相談してから決めたいですね。
メリット・デメリットをしっかり把握した上で、自分にあった処置をしてくれる医院を選択をしましょう。
まとめ
首のイボを正しく治療するには、まずは悪性かどうかを診断してもらうため、皮膚科で相談することをオススメします。
良性のイボであれば、医院やクリニックでの処置の他に、時間をかけながら肌に負担の少ない方法で首イボを治す方法もあるので、検討してくださいね。
最近では、手軽に使える首イボケアのクリームやジェルも大変効果があり、注目されています。
また、皮膚科などで処置をしても、肌のターンオーバーが悪いままだと、イボが再発する可能性が高いままです。
首イボ専用の商品には予防効果の高いものもあるので、再発しないようにしっかりケアをしていきたいですね。